
ノコギリヤシはヤシの木の一つで、抽出物が前立腺肥大症の治療薬の他、脱毛症などにも用いられることで有名です。
天然由来の食品であるため、副作用によるリスクはとても少なく、比較的安全に摂取できるものでもあります。
ただ、何に対してもそうですが、過剰摂取をすることで胃の不快感を覚えたり低血圧になったりということが報告されています。
しかし、過剰摂取せず用法や用量をきちんと守って摂取していれば、ほとんど副作用を心配する必要はないようです。
前立腺肥大症や脱毛症などの原因となる物質は、ジヒドロステトステロンと呼ばれる物質です。
これは生物学的な身体や精神の維持のために主に男性の体内で生成されるテストステロンが、人間の頭皮に多く存在する酵素の一種と結びついて生み出される悪玉の酵素ですが、ノコギリヤシに含まれる脂肪酸は、このジヒドロテストステロンの精製や働きを抑える作用があります。
毛根に脱毛命令を出すジヒドロテストステロンを抑制するため、脱毛症にも効くとされるのです。
ただし、エストロゲンと同じような効果もあるので、ホルモンバランスを乱す原因になりかねないため、ホルモン剤との併用は避けるのが賢明です。
また抗血液凝固剤や、バイアスピリンやバファリンなどの抗血小板薬と併用すると、出血傾向を高めるので避けましょう。
血液をサラサラにするサプリメントなども、同様に出血傾向を高めてしまい、体内で出血すると血圧が下がるため、同時に摂取するのは控えてください。
過剰摂取などで低血圧の症状が出るのは、この出血傾向が高まってしまった結果でもあります。
頭痛や吐き気、性欲の減退などの副作用を訴える報告もありますが、そういった飲み合わせや過剰摂取が原因となることもあり、基本的にはノコギリヤシは食品なので、そのリスクはとても低いと言えます。